前回、バットを短く持って振る大切さを息子に教えた。
それから、何週間か経過した。
息子のバッティングスタイルが確立されつつある。
先日、息子のチームの練習を見学した。
私が練習場に到着して見学をしている事にまだ息子は気が付いていないようだ。
その時丁度、息子のバッティングの順番が回ってきた。いわゆるフリーバッティングではなく試合形式のバッティングである。3回のヒッティングで2回目までは走らない、3回目のヒッティングの際に試合と同じように走る形式だ。これだと守備に付いている子の練習にもなるので、バッティング、ランニング、そして守備の子には、守備とその連係プレーも練習できるので多少の緊張感があり、私はこの練習スタイルが好きだ。
1回目、3塁方向へのファールに続いてショートゴロ、ショートが上手くさばいて1塁に投げた、走っていればアウトだろう。
2回目、何球かボールを見逃した後、ショートの頭を超えるライナーが飛んだ。
「息子!ナイス!」(私、心の中でつぶやく)
これは、多少センターよりだったので、センターが追いつき、走っていれば1塁打。
3回目、今度は走る。やはり何球かボールを見逃す、、、、、そして、真ん中高めの球を、短く持った息子のバットがとらえた。
「カキーン!」
打球はセカンドの頭を超えて右中間へ(センターとライトの間を抜けた!)。走る息子、その打球を追うセンターとライト、球はその間を抜けていった。
「いいぞぉー!」(またもや私の心のなかのつぶやき)
その間、息子は2塁に到達し、更に3塁に向かった。
「おい、おい、ちょっと無理じゃないかぁー。」(私、心の声)
但し、コーチが走るように指示をだしているので、その支持に従って息子は3塁に向かった。
あっけなくセーフ!
中継のボールが多少それたので、滑り込む事無く3塁打となった。
ゆうゆうと3塁から戻ってくる息子を見て
「コンパクトスイングで飛距離アップ! 成功!!」
と、自分にうなづき、なんだか嬉しくなった。練習中は、息子に声を掛ける事もないが、今のバッティング練習の結果はほめてあげようと思った。帰りの車で、隣に座る息子の姿を想像しながら、少しだけ暗くなり始めたグランドのバックネットの裏から見学する父であった。
続く。