右肘 球 息子 投げ方 ピッチャー 円運動 肘 動き 持っ 使い方 利かの記事一覧

右肘の引き上げ方に引き続き、引き上げた右肘のその後の動き(=投げ方)に付いて、もう少し息子に教えてみよう。球を握った拳を下から上に引き上げる(=右肘を下から上に持ち上げる感じ)部分を前回は教えたが、今回はその引き上げた右肘・右腕が球が指から離れるまでの動きに付いて解説してみよう。
この動きは、絵に描くと実は混乱するかもしれない、というのも、下から引き上げた右肘が耳の高さまで来て、最終的にどのような動きを経て、指から球が離れていくのか、を絵に描くと結構複雑だからだ、複雑というのは、単純な円運動ではなく、肩、肘、腰の動きが連動する事で成し得る動きだから、各関節が自分の意思とは関係なく動いてしまうような動きである為、絵に描いたものを理解・覚えて実践してみようと思っても実は難しい。この部分で、円運動に近いイメージを持ってしまうと、肘が伸びた状態で球を投げるスタイルになってしまうケースがあるので、ここは大切だと思う。
では、どうしたら、それを円運動ではなく、いわゆるピッチャーの肘の使い方になるかというと、短い距離で、例の右肘を下から上に持ち上げるイメージを持ちつつ、球を投げる練習を繰り返す事である。私が息子に教えた際に取ったスタイルは、両足を肩幅程度に開き、投げるというものだった。スナップスローという練習だ、球を指から話す際に、手首を利かせる事を意識して投げる練習であるが、手首を利かせるには肘が伸びた投げ方だと、どうしても肩の力に頼って球を投げてしまう=腕の振りを早くして球速する必要がある。よくフォーム自体は非常にゆっくりなのに球速が早いのは、球を放す瞬間に手首を利かせて投げている為である。これを覚える事がピッチャーとしての投げ方の重要な部分である。手首を利かせて投げる=ピッチャーの肘の使い方、というわけだ。
息子には、右肘の下から上に引き上げるイメージだけを意識させて、更に速い球を投げるように指導した。
「両足を肩幅位に開いて、そこから足を動かさないで球を投げてごらん。」(私)
「こう?」(息子)
「そう、それ位ね」(私)
「そして、球を持った拳を下から上に引き上げるようにして、そしてオーバースローを意識してお父さんに球を投げてごらん。」(私)
「うん。」(息子)
多少、体がそっくり返り気味である部分を除けば、まずまずである。最初は5-6m程度の距離で20球程度投げた、それから10m程度にして、もう少し速い球を投げる練習をする事にした。
「もう少し後ろに下がって」(私)
「(後ろにさがる息子)」
「そう、それ位でいいや。お父さんの胸に向かって、すこし強い球を投げてごらん。」(私)
「うん」(息子)
やはり、腕の振りが大きくなり、円運動のような、それでいて右肘が伸びたような投げ方をした。球を強く投げるという意識がそうさせたのだと思う。これではダメだ。
「あれー!? さっきと投げ方が違うぞぉー! 右肘が下から上になってないぞぉー!」
「こういう風に(右肘をしたから上にする動きを息子に見せる父)」(私)
「オッケー!」(息子)
「力の強い球、速い球を投げるコツは、左手も使う事だよ、投げる相手の胸をグローブを持った左手で指して、グローブを左脇に巻き込むように引く、その反動で、上まで上がって来た右肘が前に出てくるから。」(私)
「うん」(息子)
「そしたら、最後は手首を利かせて球を指から放す。」(私)
「いつか、どこかで聞く言葉だと思うけど、「しなり」っていうんだ。」(私)
「鞭(ムチ)とか、フライフィッシングのロッドの動き、あれを「しなり」っていうだけど、分かる?」(私)
「ムチってさぁー、手元はゆっくり動いているけど、先っちょはものすごく早く動いて、パチンって、なるでしょ!? あれを球を持った右腕でやるんだよ。」(私)
「うん、うん」(息子)
息子の投げる球は、あまり私の胸に返ってこないが、ピッチャーの肘の使い方を覚えつつある息子である。体で覚えるという言葉を使うと、あまり賢くない感じを受けるが、頭で考えても出来ない動きを覚えるには、この感覚を覚える=体に覚えさせるしか手段は無さそうだ。
続く。

息子の野球