2007年5月の記事一覧

バッティングで何かをつかむ、っていうのは本人にしか分からないもので、これを他人が教えるのはホントに難しい。私も息子に何かきっかけをつかんで欲しくて色々試してみたが、今回やっと息子は何かをつかんだようだ。そのヒントは2つ。
1つ目。
私が高校球児の頃、1つ下の学年に身長が170cmに満たない後輩がいた。彼のポジションは2塁守だ、背が高くないので必然的にそのポジションを彼は選んだのだ、そして打順は2番。しかし、彼は打撃練習の際にレフトにあるフェンスの更に奥にある防球ネットにガンガンと打球を当てていた。私は当時既に身長が180cmを越えており、彼と同じ飛距離を飛ばす事は出来たので、あまり関心を持っていなかったが体は小さくても打球は飛ぶ、という事は、その当時学んでいた。生きたお手本というわけだ。
私は、その事を思い出し、息子に彼の事を話した。息子の現在の身長は155cm程度なので、私の後輩と同じ飛距離を出せるとは思わなかったが、鋭いスイングで鋭い打球を飛ばすヒントが、彼のバッティングスタイルに隠れているのではないかと思った。
「お父さんが高校生の時にね、お父さんよりもずっと背の低い後輩がいたんだけど、彼は体の大きなチームメイトに負けないほど遠くに打球を飛ばしていたよ。」(私)
「そして、その彼はね、やっぱりバットを短く持っていたんだ。勿論、彼は高校生だったから、今の君よりも筋肉が付いていたから、力もあったけど、その体にあったスイングする事で打球を遠くに飛ばしていたんだよ。」(私)
「うん」(息子)
「今の君のバッティングフォーム(=ホントは構えが正しいかな)と何が違うかというとね。」(私)
「うん」(次の私の言葉を待っている息子)
「グリップの位置だ」(私)
「うん」(息子)
「彼は、グリップの位置が耳の上にあったよ。」(私)
「こんな風にね!」(実際にバットを持って、その位置を見せる私)
「やってごらん。」(私)
「こう?」(息子)
「そう、そう!」(私)
これが、1つ目のヒントになった。
2つ目。
「これって、チームメイトのMO(仮名)と同じだ!」
そう、実は身近なお手本がチームメイトにいたのである。但し、そのMO君は息子よりも背が高いがあまり打球が遠くに飛ぶという選手ではない。
「このバッティングフォーム(構え)で、練習してみようか?」(私)
「うん、やってみたい!」(息子)
早速、私と息子はバッティング練習用のケージに向かい練習する事にした。
結果報告は後日、報告させて頂こうと思う。
続く。

息子の野球

前回、バットを短く持って振る大切さを息子に教えた。
それから、何週間か経過した。
息子のバッティングスタイルが確立されつつある。
先日、息子のチームの練習を見学した。
私が練習場に到着して見学をしている事にまだ息子は気が付いていないようだ。
その時丁度、息子のバッティングの順番が回ってきた。いわゆるフリーバッティングではなく試合形式のバッティングである。3回のヒッティングで2回目までは走らない、3回目のヒッティングの際に試合と同じように走る形式だ。これだと守備に付いている子の練習にもなるので、バッティング、ランニング、そして守備の子には、守備とその連係プレーも練習できるので多少の緊張感があり、私はこの練習スタイルが好きだ。
1回目、3塁方向へのファールに続いてショートゴロ、ショートが上手くさばいて1塁に投げた、走っていればアウトだろう。
2回目、何球かボールを見逃した後、ショートの頭を超えるライナーが飛んだ。
「息子!ナイス!」(私、心の中でつぶやく)
これは、多少センターよりだったので、センターが追いつき、走っていれば1塁打。
3回目、今度は走る。やはり何球かボールを見逃す、、、、、そして、真ん中高めの球を、短く持った息子のバットがとらえた。
「カキーン!」
打球はセカンドの頭を超えて右中間へ(センターとライトの間を抜けた!)。走る息子、その打球を追うセンターとライト、球はその間を抜けていった。
「いいぞぉー!」(またもや私の心のなかのつぶやき)
その間、息子は2塁に到達し、更に3塁に向かった。
「おい、おい、ちょっと無理じゃないかぁー。」(私、心の声)
但し、コーチが走るように指示をだしているので、その支持に従って息子は3塁に向かった。
あっけなくセーフ!
中継のボールが多少それたので、滑り込む事無く3塁打となった。
ゆうゆうと3塁から戻ってくる息子を見て
「コンパクトスイングで飛距離アップ! 成功!!」
と、自分にうなづき、なんだか嬉しくなった。練習中は、息子に声を掛ける事もないが、今のバッティング練習の結果はほめてあげようと思った。帰りの車で、隣に座る息子の姿を想像しながら、少しだけ暗くなり始めたグランドのバックネットの裏から見学する父であった。
続く。

息子の野球