シャドーピッチング、、、、何それ?
と思われる人もいるかと思うので、少々解説したい。たまにプロ野球選手の夕食後の自主練習風景がテレビに流れる時があるが、野手はバットを持って素振りをしているが、ではピッチャーは何をしているかというと、筋トレや必要な間接の広がる角度を大きくする為の柔軟体操、そして、シャドーピッチングである。シャドー・・・・そう、「影」である。自分の影を見つつピッチングフォームの繰り返しにより、体にその動きをなじませ、そして自分の体に、その投球フォームを覚えさせるのが目的だ、「影を見ながら」という部分がシャドーピッチングの語源か否かは定かではないが、目的は先の通り。風呂の時に体を洗う程度の大きさのタオルを1枚用意して、それの片方の先端を軽く結んで、その部分を利き手(右投手なら右手ですね)で軽く握り、人差し指と中指の間から余ったタオルを出す。結びを作らなくても良いが、軽く握る感覚を持たせる為に私は結び目を作って使っていた。
なぜ?タオルを握るの?
と不思議に思った人もいるだろうから、これも少々解説しておこうと思う。
理由は2つ、
1つ目は、何も持たないで、投球動作の時に肩をまわすのは、実際の投球時と異なり、全く負荷が無い状態となってしまうので、急激に肩をまわしてしまい肩を痛めてしまう可能性がある為、それを予防する目的がある。
よく聞く話だが、硬式の野球をやっていた経験者が、ある時草野球を始めて、硬式のつもりで軟式のボールを投げていると「肩を痛める」・「肩を壊す」、という厄介な状況におちいる。軟式のボールは、ある程度重さはあるものの、硬式のボールよりも軽く、そして軟らかい為、昔の硬式野球のつもりでボールを投げていると・・・・「痛てぇー」となってしまうである。私もその経験者だ、高校野球の経験者だというだけで、地元の草野球からスカウトがあり、私もそろそろ、もう一度野球を始めたいと思い始めていた大学2年の頃・・・・やってしまいました。その当時は、結構な痛さで本当に外野からバックホームが出来なかった。
というような理由から、肩に負担が掛かるような状態でシャドーピッチングをしないようにする為にタオルを使用する。
2つ目の理由は、「スナップ」の効きを耳で確かめる為である。
これを読まれている人も、一度タオルを持って振って見ていただければ、ご理解頂けると思うが、投球フォームでの最後の指から球が離れる瞬間、手首をしならせてフィニッシュする、これが野球用語で「スナップを効かせる。」というものである。そのスナップの際に握ったタオルもその瞬間に勢いよく、振られるので、「ブンッ!」と音がするのである。これをシャドーピッチングの際に、実際に耳で聞きながら、自分の行っている投球フォームが正しいか確認するのである。
さて、息子にもシャドーピッチングを教えてみよう。
これは、庭に出てドアにあるガラスに自分を映し出しながら行うか、部屋の鏡の前で行うかだが、教えた時は、外が暖かかったので、外のガラスに映しながらやるように教えた。
「やる事は、この前教えた5つのポイントを自分でしっかり確認しながら、繰り返して、そうだなぁー30球を1セットにして、2セットはやって欲しいなぁー。」(私)
「これはね、投球フォームを体に染み込ませるのが目的で、繰り返しやる事で、体がその動きを自然に覚えるようにするんだ、フォーム固め、っていう言葉を使うんだけどね。」(私)
「うん、タオルは持ってきたけど、こんなんでいいの?!」(息子)
「それでいいや、先っちょを軽く結んでね。」(私)
「うん。」(息子)
「これは、逆にいうとヘンな投球フォームで練習すると、そのへんな投球フォームを体が覚えちゃうから注意してね。5つのポイントを守れば大丈夫だから。」(私)
「但し、本当に投げるように腕を振っちゃダメだぞ、肩イカれるからね。」(私)
「オッケー!」(息子)
庭でシャドーピッチングをする事にしたが、息子はサンダル履きである、まぁーいいか、最初だし。
「最後、スナップを効かせて、ブンッ!って音がするようにするんだけど、さっきも言ったけど、そのブンッ!って音は、腕を力いっぱい振って鳴らすんじゃなくて、スナップで鳴らすんだぞ。」(私)
息子のタオルを受け取り、私がガラスの前で実践してみせた。
毎日とは言わないけど、週に1-2回はシャドーピッチングもして欲しいと思う父であった。
続く。