息子の野球の記事一覧

前回、バットを短く持って振る大切さを息子に教えた。
それから、何週間か経過した。
息子のバッティングスタイルが確立されつつある。
先日、息子のチームの練習を見学した。
私が練習場に到着して見学をしている事にまだ息子は気が付いていないようだ。
その時丁度、息子のバッティングの順番が回ってきた。いわゆるフリーバッティングではなく試合形式のバッティングである。3回のヒッティングで2回目までは走らない、3回目のヒッティングの際に試合と同じように走る形式だ。これだと守備に付いている子の練習にもなるので、バッティング、ランニング、そして守備の子には、守備とその連係プレーも練習できるので多少の緊張感があり、私はこの練習スタイルが好きだ。
1回目、3塁方向へのファールに続いてショートゴロ、ショートが上手くさばいて1塁に投げた、走っていればアウトだろう。
2回目、何球かボールを見逃した後、ショートの頭を超えるライナーが飛んだ。
「息子!ナイス!」(私、心の中でつぶやく)
これは、多少センターよりだったので、センターが追いつき、走っていれば1塁打。
3回目、今度は走る。やはり何球かボールを見逃す、、、、、そして、真ん中高めの球を、短く持った息子のバットがとらえた。
「カキーン!」
打球はセカンドの頭を超えて右中間へ(センターとライトの間を抜けた!)。走る息子、その打球を追うセンターとライト、球はその間を抜けていった。
「いいぞぉー!」(またもや私の心のなかのつぶやき)
その間、息子は2塁に到達し、更に3塁に向かった。
「おい、おい、ちょっと無理じゃないかぁー。」(私、心の声)
但し、コーチが走るように指示をだしているので、その支持に従って息子は3塁に向かった。
あっけなくセーフ!
中継のボールが多少それたので、滑り込む事無く3塁打となった。
ゆうゆうと3塁から戻ってくる息子を見て
「コンパクトスイングで飛距離アップ! 成功!!」
と、自分にうなづき、なんだか嬉しくなった。練習中は、息子に声を掛ける事もないが、今のバッティング練習の結果はほめてあげようと思った。帰りの車で、隣に座る息子の姿を想像しながら、少しだけ暗くなり始めたグランドのバックネットの裏から見学する父であった。
続く。

息子の野球

大きな当りを狙う。
というのは、小さな子供は誰もが持つ自分への期待である。わが息子も多分にもれず、その傾向があるようだ。練習試合でも、チームメイトが打つ当りを見て、自分も「よし、かっ飛ばしてやろう!」と思ってしまうのは仕方がない。しかし、打球は自分の体に見合った打球しか飛ばないものだ。同じチームメイトでも体の大きな子供はよく飛ぶ、それに負けじとフルスイングスイングするのは良いが、球がバットに当たらなければどうにもならないし、当たったからと言って、体の大きな子には飛距離は負けてしまう。
そこで、私は息子に対して
「今、君に求められているのは外野の頭を超える打球を打つことではなくて、外野の間をライナーで抜くことだ。」(私)
「そして、三振を減らす事。だから、バットを長く持ちすぎないで、短く持ってスイングのスピードを上げて、鋭い打球を打つ事を考えて打席に立とう。」(私)
「・・・・・」(息子)
「いい?、君の体ではまだ外野の頭を超えて打球を打つのは無理だ。だから、セカンドやショートの頭を超えるライナーを打って、そして、レフトとセンターの間か、ライトとセンターの間を抜けていく打球で、上手くいけばホームラン! そんな打球のイメージを持つようにしよう。」(私)
「・・・うん」(息子)
(外野の頭越えや、フェンスオーバーのイメージを持っている息子には少々きつい言葉だったかもしれない。が、しかし、今の息子にそれを目指して練習させるのはバッティングの基礎を覚えてもらうのに逆効果なのだ。)
「お父さんはね、小学校5年生の時に6年生に混じってチームで4番を打ってたんだ、一番ホームランの数も多かったんだ、でも、その時にお父さんは、チームで一番バットを短く持っていたんだよ。それでも打球は飛ぶんだ。」(私)
「バットを短く持って、更に寝かせて、こんな風にね。(バットを持って構える私)」(私)
「うん」(息子)
「君の体は、もう少ししたら急に大きくなるよ、そうしたら自然に打球は遠くに飛ぶようになる。それまでは、ライナーを打とう! それには今の君のようなアッパー気味のスイングは逆にボールに下に落ちる回転を付けてしまうから、ダウン気味に球を叩いて、うえに上がっていく回転を付けることが大切だ。」(私)
「オッケー!」(息子)
「だから、今のバットを持つ位置を拳ひとつ分空けて持ってごらん。」(私)
「そうそう」(私)
「それで更にバットを少しだけ寝かせて左の肘を少しだけ上げる。それで球を上から叩くようなイメージでバットを振る。」(私)
(息子が私の説明に従って、構える姿をみる、、、、まぁまぁかなー)
「そうそう」(私)
「じゃー、それでお父さんが球を投げるから打ってごらん。」(私)
先ずは息子に、今教えた構えが今の息子には適している事を納得してもらい、バッティング練習をしてみた。ボールを入れるプラスチックのバケツには、約50球の球が入っている、それを4バケツ、合計200球近く打つのだ。これは打つほうも大変だが投げる方も、なかなかしんどいものだ。
最初のバケツは普通の投手の位置よりも3m程度近くから比較的ゆっくりと同じテンポで投げてバッティングフォームの固めに入る。=体に覚えさせるのだ。そして、その時は、ほぼど真ん中に投げてやる。するとカンカンと調子良く打てるようになる。投げるテンポが同じだから、打つ方のタイミングも同じで、しかもど真ん中だから打ちやすい、これで「いける!」という感覚を付けてやるのだ。
結局、これを3バケツ分行い、最後に通常の位置から多少コースもバラつかせて投げた。打ち損じは勿論増えるが空振りは随分と減ったし、高めのボール球に手を出さなくなった。
「お父さん、今のボール? だよね?」(息子)
「ボール! 今のは振ったらダメだ、だから見逃して正解だね。」(私)
そんなやり取りをしながらバッティング練習をしていたら2時間近くも経ってしまった。そろそろ夕飯の時間だ!
「そろそろ帰ろう、お母さんが夕飯作って待ってるぞ!」(私)
「うん!」(息子)
「また、来週練習しようね!」(息子)
「いいよ!」(私)
続く

息子の野球

常葉菊川と日大大垣の決勝戦を息子と観戦した。
といっても甲子園に出向いたわけではなくテレビ観戦だ。
第79回選抜高校野球決勝戦、常葉学園菊川(静岡)が大垣日大(岐阜)に6-5で逆転勝ちして、優勝だ。息子には非常に刺激的だったようだ。理由は無いが常葉菊川を応援していた息子は、8回の裏に逆転すると異常に喜んでいた。
「お父さんッ! 僕、常葉に勝手欲しいんだよねぇー」(息子)
「・・・・」(父)
「絶対、勝って欲しいなぁー!」(息子)
「なんで?」(私)
「わかんない」(息子)
こんな会話をしている最中、8回裏の常葉菊川の攻撃で、日大大垣の2塁手のエラーも絡み、逆転し成功した常葉に向かって
「よーしッ! よっしゃー!」(息子)
とテレビに向かって吼えている息子がいた、そばで妻はニコニコして、その息子の姿を見ていた。私はその試合中、1球1球に付いて、息子が投手だったら、どこに投げる?という質問をして、その結果を観ては、
「やっぱりねぇー」(私)
「あれ?」(私)
という事を繰り返していた。又、2アウトでランナーが2塁にいる場面で、レフと前ヒットでホームインの状況に付いて、
「君達のチームだったら、ホームイン出来ないだけど、どうして彼はホームインできたか分かる?」(私)
などと質問をして、息子がランナーだったら、どういうリードとスタートを切ればいいのか、などと解説を交えて教えた。
「2塁ランナーがホームインできたのはね、投手のモーションと同時にリードを広げて、更に投げた球の球筋を見て、打者が打つ!と思ったら、スタートを切るんだよ。」(私)
「勿論、その球を空振りするかもしれないし、打たないかもしれないけど、そのスタートを切るという行為が君達のチームにはないんだ。」(私)
「うん」(息子)
「空振りしたり、見逃したりしたら、戻れるようにしないといけないから、戻ることも頭に入れてスタートは切る。2アウトだから、バットに球が当たれば、そのままスタートからダッシュ!」(私)
「後は3塁のランナーコーチを見るだけ、手を回していれば、そのまま全力でホームに向かって全力疾走」(私)
「ファールになっても、同じこと、それの繰り返しで、常に先の塁を取る、っていう意識が大切なんだよ。」(私)
「うん」(息子)
これは試合中の1つの説明であるが、気が付いた点は、試合中ずーとしゃべりっぱなしの私であった。
夏の甲子園が楽しみだ。
その時には、もう少し成長した息子と甲子園観戦ができるだろう。
続く。

息子の野球

とりあえず形だけは左打ちになった息子。
但し、実際に球を打った事はないので、感覚がつかめてないだろう、今日は近くの公園に行って小さなネットを張り、実際に球を打つ練習をしてみた。
スポーツショップに行けば打っているネット、これはゴルフの家庭用の打ちっぱなし用ネットをもう少し小さくしたようなものだ。ボールは40球程度買った、費用は1球大体350円(高!)であったが、最初にある程度買っておけば後々使えるので、最初の出費は見なかった事にしておこう。
さて、公園に到着。
公園と言っても、小さな野球場と一緒になっているので、バックネットがある。
それに向かってネットを張り、そこに向かって打つのだ。
私は息子の斜め前の球の入った缶に座り、そこからトスするのだ、いわゆるトスバッティングである。
野球の練習風景を見ていると球にバッティングゲージで打っていない選手が、ネットを前にしてトスバッティングをしているのを見かけるが正にそれである。
ちょっと怖い。
なぜかと言うと、なれていない息子が息子の斜め前に座っている私に向かって球を打ってくる可能性があるからだ。斜め前に座っている私がトスした球をネットに向かって打つのが本来の姿であるが、打ち損じて私に球が向かってくるかもしれない、、、、当然、近距離なので避け様がなく、もし球が私に向かってきたら球は命中するだろう。
そんな不安を抱えつつ、トスバッティングを始めた。
「いい、こうやって球を投げる(トス)するから、ネットに向かって打つんだよ。」(私)
「あ、それより、最初にお父さんが見本を見せるから、それを真似してみて。」(私)
急遽、私が最初に手本を見せる事にした。但し、私は右打ちなので、息子には今私が座っている場所と反対の斜め前に座らせた。
「いいよ、投げて(トスして)」(私)
「いくよ!」(息子)
「コキーン!!ズザァー!」球がバットに当たり、球がネットに収まる音。
「はい、もう一球」(私)
「うん」(息子)
「コキーン!!ズザァー!」(同上)
「こんな感じだな、出来るかな!?」(私)
「うん、やってみる!」(息子)
私と息子は場所を移動して、それぞれ役割交代。
「いくぞ!」(私)
「・・・・」真剣に私の手元を見つめる息子
「カツッ! コーン」(球がバットの芯をはずれ、しかも用意したネットに当たらず、公園に設置してある野球のバックネットに球が当たった音。
「うお! 球をしっかり見てねぇー!」(私)
「うん」(息子)
「いくよぉー!」(私)
「コキ、ズザ」(今度は球がバットの芯に辺りネットに命中!した音)
「そうそう、そんな感じ、もう一丁!」(私)
「コキ、ズザ」(同上)
こんな練習を続けたが、前回家で教えた4つの教えは、ボロボロ。
1.スタンス
2.顔の向き
3.バットの握り
4.ブリップの位置
まぁー球にバットを当てる事だけに集中しているので仕方なしか、、、。
「どんどん、お父さんから離れていってるぞぉー」(私)
「自分の立っている位置を見てごらん、知らないうちに下がってるねぇー」(私)
「ほんとだぁー」(息子)
「じゃぁー投げる球をもう少しゆっくり、遅く投げるから、下がらないようにね!」(私)
「うん」(息子)
大体、10球の内、半分はバットの芯に当たっている。という事は半分はカスッているという事だ。まぁー最初だから仕方なしとしよう。その日の練習は結局とスバッティングだけで150球位打った息子、少々顔を赤くして、微妙に汗をかいていた。
次はもう少し形も直してみようかなぁー、特にグリップの位置かな。
続く。

息子の野球

息子は左打ちになった。
いや、左打ちにした、という表現の方が正しい。
でも、私からの説明で何とか左打ちが野球では得をするという事は、納得してもらえたようだ。
しかし、今まで短い期間だったかもしれないが、右でしか球を打った事がない息子だ、「はい、今日から左打ちでバンバン打ちなさい。」というわけにもいかない。
そこで、基本から先ずは教えよう。
本当に基本的な部分から教えた。
1.スタンス
  ピッチャーに対して、開いた両足が一直線になるように立つ、いわゆるスクエアだ。
  足の幅は、自分の肩幅よりもやや広め。(大体、肩幅から靴の幅にして2足分程度)
2.顔の向き
  無理の無い程度にピッチャーに対して正面を向く、その時なるべく、あごは引く。
息子は左打ちなので、彼の右肩にあごが触れる程度の位置にした。
3.バットの握り
  剣道の竹刀を持つように両腕を伸ばした時に、両肘の間隔はなるべく開かず。
4.ブリップの位置
  これは、実は非常に困った。というのも、あまりバットを立てるように持たせると恐らく振り遅れるだろうと思ったからだ、小学4年生程度の球の速さなら、まだ大丈夫かもしれないが、ちょっと球の速いピッチャーには振り遅れるかも、、、。という事で、今回はミート重視の構えを教えた。イメージで言えばローズ(近鉄、巨人、今年オリックス)のような感じだ。すこし、バットをねかせて、バットのヘッドをピッチャーとは反対の向きにかまえるスタイルである。この状態から、バットを出すと勢いを付けるのは難しいがミートするのには向いている。先ずは球にバットを当てる感覚を覚えてもらう為に今回はこのスタイルにした、但し、後々はもう少しバットを立てたスタイルに変更しようと思う。
簡単に上記のような事を息子にバットを持たせながら教えてみた。
形はOKである。
「じゃぁーこれでバット振ってみて。」(私)
「うん」(息子)
「フーン」バットを振った音。(息子)
(かなり遅い振りだぞぉー、大丈夫かなぁー?!)
「オッケー、オッケー、もう3回くらい振ってみて。」(私)
「うん」(息子)
「ウン、、、、ウン、、、、、ウン」(バットを振るときに漏れる声)(息子)
最初は、左でバットを振ることに慣れるまで、速い振りは期待できないが、日々素振りをすればコツはつかめてくるだろう。
「これを続けていけば、自分の振りになって、体が覚えてくるから、続けようね」(私)
「オッケー」(息子)
次は、実際に球を打つ事で、もっと間隔を掴んでもらおうと思うが、この左打ちの構え方を教えたのは家の中だったので、次回はグランドに行って練習してみようと思う。
続く。

息子の野球

息子は右利きだ。
学校でも、ゴムボールを壁に手で打ちつけて帰ってくる球を次の子が打ち返す遊びが流行っているみたいだが、それも右で打つのが得意のようで、家に帰ってきては、その遊びの話を妻や私に自慢げに話している。子供同士でやるゴムボールとプラスチックのバットの野球では、右で投げて右で打っている。
しかしッ!
私は息子に野球チームに入る前から、左打ちのバットの握り方を教え、実際に左打ちにするように強要した、、、、。当然、今まで子供同士の野球は右で打っていたので、息子にとっては非常に違和感のある打ち方のようで、球が思うように当たらないし、飛んでいかない。
「なんで、右打ちじゃないの?」(息子)
「野球が上手くなりたいなら、今からなら間に合うから、絶対左打ちだよッ!」(私)
「なんでぇ~!?」(息子)
「僕、なんかすごく打ちにくいんだけどなぁー」(息子)
分かる、わかる、その気持ち、でも あの時お父さんが右打ちの僕を左打ちに変えてくれて良かったと思う日が絶対くるからなッ! (と心の中でつぶやいている)(私)
「君は右利きだよね? 右利きの人が多いのは知ってるでしょ?!」(私)
「うん、、、。」(息子)
「それは、右投手が多い、という事でもあるんだよ。」(私)
「そして、右投手を打とうと思った時、バッターボックスに立った君は、左打席に入る事になるんだけど、右投手の手は、君の顔が向いている方向から出てくるでしょ!?」(私)
「逆に右打席に立った時を考えてごらん、今度は君の肩越しから右投手の手が出てくるんだ。どっちが球を見やすいと思う?」(私)
「左?」(息子)
「そう。」(私)
「これが左打者が有利になる1つ目の理由」(私)
「そして、もう一つ重要な事があるんだ。」(私)
「なに?」(息子)(なんだか、まだ納得してない感じだなぁー)
「打者は球を打った後に一塁に向かって走っていくよね!?」(私)
「その時、左打席から1塁までと、右打席から1塁、どっちが近い?」(私)
「左!」(息子) (おぉー!気が付いたか!)
「そう、左、しかも、1m位違うんだ、左打席から1塁に走った方が1mも近いんだ。」(私)
「ショートゴロを打って、右打者だとギリギリアウトが、左打者ならセーフになるんだ。」(私)
「なるほどねぇー、お父さんすごいね!」(息子)(左打者転向近し!)
「そうだ、バット持ってごらん、右打ちの構えをして、そうそう、そして右打席に立ってみて。」(私)
「ピッチャーが球を投げました、カーン!って打った真似してみて!?」(私)
「体はどっちの方向を向いてる?」(私)
「こっち!」(息子)3塁の方向を指差す息子。
「でしょ!?」(私)
「今度は左打席で同じ事してみて!?」(私)
「ハイ、カーンと打ちました! さて、どっち向いた!?」(私)
「こっち!」(息子)1塁の方向を指差す息子。
「もう分かったかな?!」(私)
「打った後には当然1塁に向かって走っていくけど、右打者は打つ時にひねった体を逆に戻しながら1塁に向かって走り出さないといけないんだけど、左打者の場合は打つ時にひねった体の向き、そのままで1塁に向かって走り出せるんだよ!」(私)
「うん!」(息子)
「さっきは、左打席と右打席の1塁までの距離の話をしたけど、それ以外にも体の動き方で左打ちの方が絶対有利なんだ。」(私)
「そっかぁ!」(息子)
「お父さん、何でも知ってるんだね!」(息子)
「でも、お父さんは何で右打ちなの?」(息子)
グサっと来た質問であった、私は右打ちなのだ。
「小さい頃に今のお父さんみたいにお父さんのお父さんが左打ちにしなさいって教えてくれなかったんだよ、だから君はラッキーだ。」(私)
小さい頃は、そんな事考えた事もなかった、遊びで左打ちにした事はあったが、小学校5年生の時は既に右打ちが馴染んでしまっていたし、チームでも4番を打っていたので、左打ちに変更しようもんなら、全く打てない4番打者の出来上がりになっていたに違いない、その時は「時、既に遅し」の状態であったように思う。
「だから、君は絶対左打ちになって成功して欲しいなぁ~!」(語りかけるような口調)(私)
「オッケー、僕、左打者になるよ!」
息子、左打者になった瞬間だった。
続く。

息子の野球

実は心理・心構えが一番大事だったりする。
まぁー考えてみれば当たり前だが、ピッチャーは心理状態でその日のピッチングが変わる。又、心理状態が試合の途中で変化すれば、それがピッチングに影響する、人間なので、当然か。
息子にもそれは教えたいと思う。ピッチャーは、「ノミの心臓」では無理、よくと言われるが、その通りだ、ブルペンエースも同じ原理だろう。ブルペンエース、って?思う人もいるだろうから、少しだけ解説しておこう、ブルペンとは練習中や試合前にピッチャーが投球練習する場所である。そのブルペンでは、そのチームのエースになれる位にすばらしい球を投げるが、いざ試合になるとそのすばらしい球は、なりを潜め、投げれば球は伸びず、コントロールは定まらず、などなど、エースと呼ぶには程遠い存在になってしまうのです。ですので、ブルペンに居る時だけエース =「ブルペンエース」となります。
この心理的な問題を解決するには、人それぞれ治療方法は違うと思うし、また、そのピッチャーとしての経験が無い、又は浅い人にそのブルペンエースにならない為の予防接種を考えてみたい。息子の場合は、まだ試合でマウンドに立って投げた事は、少ないので、どちらというと治療ではなく、予防接種になるかと思う。
「ピッチャーはね、守備に付いている選手の中で、1人だけ、攻撃してるんだよ。分かる?」(私)
いきなり、真髄を付いて話してしまった。
「・・・・・」(分かったような、分かってないような顔だぞぉー)(息子)
「守備に付く、って言葉を使うけど、ピッチャーだけは打者に向かっていく、つまり攻撃なんだ。」(私)
「だって、打者に向かって球を投げるよね? それって守備っていうより、攻撃じゃない!?」(私)
「そうだね!」(やっとピンときたかな)(息子)
「だから、ピッチャーは特別なの、そして偉いの。試合でも目立つでしょ!?」(私)
偉いという言葉は当てはまらないのは分かっているが、息子に対して理解してもらえる言葉として、この“偉いんだぞぉーっ”て言葉が息子には、グサっと印象に残るのではないかと思い、意図的に使ってみた。弱気にならないような心構えを作るには、これくらい大げさな言葉の方がいいではないかと私は思っているが、表現の仕方に違和感があれば、違う言葉を使って表現されてもいいかと思う。
「だからマウンドに上がったら、どんな球を投げて討ち取ってやろうか、なんて考えながら楽しく投げるんだ、打たれたって守備がいるんだし、取ってアウトにしてくれるよ、三振取れなくたって、次に取れるさ、くらいの気持ちで投げるといいよ。」(私)
「そして、三振なんか取れたら、チームのみんなも喜んでくれるよッ!」
「うん!」(息子)
「ピッチャーやるの、ワクワクするだろ!?」(私)
「うん、うん!」(息子)
「それそれ、その気持ちでマウンドに上がるんだ。」(私)
随分と稚拙な講義であったが、まだマウンドに実際に立った経験が少ない息子には、これ以上説明しても彼にはしっくりこないだろうと思って、先ずは良いイメージの先入観だけを植え付けた(つもりだ)。
今後、ピッチャーとしての場数を踏んで来たら、もう少し実践的な話をしてみたい。私としては、そっちの話を息子とする方が、断然楽しい、出来る日が待ち遠しい。
続く

息子の野球

シャドーピッチング、、、、何それ? 
と思われる人もいるかと思うので、少々解説したい。たまにプロ野球選手の夕食後の自主練習風景がテレビに流れる時があるが、野手はバットを持って素振りをしているが、ではピッチャーは何をしているかというと、筋トレや必要な間接の広がる角度を大きくする為の柔軟体操、そして、シャドーピッチングである。シャドー・・・・そう、「影」である。自分の影を見つつピッチングフォームの繰り返しにより、体にその動きをなじませ、そして自分の体に、その投球フォームを覚えさせるのが目的だ、「影を見ながら」という部分がシャドーピッチングの語源か否かは定かではないが、目的は先の通り。風呂の時に体を洗う程度の大きさのタオルを1枚用意して、それの片方の先端を軽く結んで、その部分を利き手(右投手なら右手ですね)で軽く握り、人差し指と中指の間から余ったタオルを出す。結びを作らなくても良いが、軽く握る感覚を持たせる為に私は結び目を作って使っていた。
なぜ?タオルを握るの?
と不思議に思った人もいるだろうから、これも少々解説しておこうと思う。
理由は2つ、
1つ目は、何も持たないで、投球動作の時に肩をまわすのは、実際の投球時と異なり、全く負荷が無い状態となってしまうので、急激に肩をまわしてしまい肩を痛めてしまう可能性がある為、それを予防する目的がある。
よく聞く話だが、硬式の野球をやっていた経験者が、ある時草野球を始めて、硬式のつもりで軟式のボールを投げていると「肩を痛める」・「肩を壊す」、という厄介な状況におちいる。軟式のボールは、ある程度重さはあるものの、硬式のボールよりも軽く、そして軟らかい為、昔の硬式野球のつもりでボールを投げていると・・・・「痛てぇー」となってしまうである。私もその経験者だ、高校野球の経験者だというだけで、地元の草野球からスカウトがあり、私もそろそろ、もう一度野球を始めたいと思い始めていた大学2年の頃・・・・やってしまいました。その当時は、結構な痛さで本当に外野からバックホームが出来なかった。
というような理由から、肩に負担が掛かるような状態でシャドーピッチングをしないようにする為にタオルを使用する。
2つ目の理由は、「スナップ」の効きを耳で確かめる為である。
これを読まれている人も、一度タオルを持って振って見ていただければ、ご理解頂けると思うが、投球フォームでの最後の指から球が離れる瞬間、手首をしならせてフィニッシュする、これが野球用語で「スナップを効かせる。」というものである。そのスナップの際に握ったタオルもその瞬間に勢いよく、振られるので、「ブンッ!」と音がするのである。これをシャドーピッチングの際に、実際に耳で聞きながら、自分の行っている投球フォームが正しいか確認するのである。
さて、息子にもシャドーピッチングを教えてみよう。
これは、庭に出てドアにあるガラスに自分を映し出しながら行うか、部屋の鏡の前で行うかだが、教えた時は、外が暖かかったので、外のガラスに映しながらやるように教えた。
「やる事は、この前教えた5つのポイントを自分でしっかり確認しながら、繰り返して、そうだなぁー30球を1セットにして、2セットはやって欲しいなぁー。」(私)
「これはね、投球フォームを体に染み込ませるのが目的で、繰り返しやる事で、体がその動きを自然に覚えるようにするんだ、フォーム固め、っていう言葉を使うんだけどね。」(私)
「うん、タオルは持ってきたけど、こんなんでいいの?!」(息子)
「それでいいや、先っちょを軽く結んでね。」(私)
「うん。」(息子)
「これは、逆にいうとヘンな投球フォームで練習すると、そのへんな投球フォームを体が覚えちゃうから注意してね。5つのポイントを守れば大丈夫だから。」(私)
「但し、本当に投げるように腕を振っちゃダメだぞ、肩イカれるからね。」(私)
「オッケー!」(息子)
庭でシャドーピッチングをする事にしたが、息子はサンダル履きである、まぁーいいか、最初だし。
「最後、スナップを効かせて、ブンッ!って音がするようにするんだけど、さっきも言ったけど、そのブンッ!って音は、腕を力いっぱい振って鳴らすんじゃなくて、スナップで鳴らすんだぞ。」(私)
息子のタオルを受け取り、私がガラスの前で実践してみせた。
毎日とは言わないけど、週に1-2回はシャドーピッチングもして欲しいと思う父であった。
続く。

息子の野球

一概にピッチャーが投げる球のコントロールの付け方と言っても、色々な方法がある。特にまだ球を握る手が小さい小学3-4年生であれば、人差し指と中指の2本を縫い目に掛けて投げるのは難しいので、今の段階では、更に薬指を足して、3本の指を球の縫い目に掛けるようにさせた。そして、更に投球フォームを支える体の筋力も十分ではないので、常に一定の動作を繰り返す事を念頭にコントロールの付け方を教える事にした。それには、体の動きに無理がない事が前提である。それとやはり前回も書いたが目標に対して、目線を切らない事だ。
私が息子に教えたコントロールの付け方のポイントは5つ。
1.キャッチャーミットから目を放さない事。
  人間の自然の動きとして、目で見ている方向に体が自然に動く原理を利用しよう。
2.右腕・右肘の動きは、下から上にする事=オーバースローにする事。
  オーバースローであれば、とんでもなく逸れてしまう事を防げるし、上下の高さだけに気を付ければいいので、これは指から球が離れるタイミングのみで、調整できるようにしよう。
3.左手は、投球動作の際に、キャッチャーミットを目掛けて差し出す事。
  キャッチャーミットを左手で指すことで、今から投げる目標の意識付けをしよう。
4.踏み出す左足は、キャッチャーに向かって真直ぐにする事。
  右腕が下から上に上がり、更に目標に向かって一直線になるような動作をしよう。
5.右足の膝は深く曲げない事。
  投球動作の最中に自分の頭が極端に上下に動かないようにして、目線を一定にしよう。
これでも、ポイントは多いと思うが、まぁー5つまでなら、頭で思い出す事も出来るだろうと思って5つに絞ってみた。上に挙げた5つのポイントは既に息子には教えた事だが、段階を経て教えたので、どこか欠けている事もあるだろうと思い、一応簡単にまとめてみた(つもり?)。
「さぁー、マウンドに上がったつもりで投げてごらん。」(私)
「うん。」(息子)
「・・・・・(黙って投球動作にはいる息子)」(息子)
「ウンっ!(球を投げた時に自然に漏れる声)」(息子)
「うしっ!」(ちょっと、球が高くて背伸びした際の私の声)(私)
「パシっ!」(球がグローブに収まった音)
「少し腕が横から出てるなぁー、頭は横にしないで、右腕が耳の横を通るイメージね!」(私)
「はーい。」(息子)
「よし、もう一丁!」(私)
この後、30球位は投げただろうか、5つのポイントはまだ掴みきれていないようだが、感じは理解したようだ。フォーム固めが出来るように、シャドーピッチングを今度は教えてみようかと思う。
続く。

息子の野球

左右の腕、左右の足、と基本的な部分は大体教えた。
次は、頭の動きや目線の取り方を教えた際の状況を書いてみた。
当然、ピッチャーは球を投げる時にキャッチャーを見るが、投球動作の初めから終わりまで、ずーと見ているのが理想とされている。中には元巨人の岡島投手のように球が指先から離れる瞬間は、キャッチャーを見ずに地面方向を向いている投手も中にはいるが、あれは例外だと思うし、現にあの投球フォームは直そうとしたが、それが岡島投手の持ち味であると直さなかった、というエピソードがある、と聞いた。
理想はキャッチャーミットから目を放さない事(目線を切らない、という言い方をしたりする。)ではあるが、塁上にランナーが入れば、そうもいかない。特に右投げの場合は、3塁ランナー、左投げの場合は、1塁ランナーとどうしても、視線にその動きが入って来てしまう場合、目線が一瞬切れてしまう事もある。よくランナーが気になって暴投したというコメントを聞くが、目線が切れてしまった、という事でもある。
又、ピッチャーには、その人の感覚で、投球動作に入る時には、キャッチャーミットを見ているが、途中一旦目を放し、また球が指先から離れる際には、再度見るようにするなど、その人の感覚でしっくり来るものを選ぶ場合もある。
私の場合は、目線が切れていたのを、常にキャッチャーミットに向ける努力をした成果で、多少コントロールが良くなったのを覚えている、ある時期(高校野球をやっている間で、ほんの短い期間、、、2ヶ月程度だったかなぁー)、キャッチャーのかまえるミットに、殆ど狂い無く投げられる自信があったし、実際にバッティングピッチャーをしている時も、面白いように自分の思った通りの場所に投げる事が出来た。多分、あの時期に9分割の的当てに挑戦していたら、随分と良い結果が出た事と思う。
これは蛇足だが、車の運転の時に、センターラインを見て急なコーナーは曲がるべし、と聞いた事がありませんか?!(よくある山道・峠道のグニャグニャした道を想像して頂いてもOKです。)
その時には、コーナーの内側、つまりセンターラインを見て曲がると比較的楽に曲がる事が出来るというものだ、逆にコーナーの外側、縁石やガードレール、道幅を示す線などを見ながらコーナーを曲がると恐怖感一杯のコーナリングの出来上がりである。
これは人間の脳みそが目から入った情報を処理する際に、起こす反射に起因していると思われる。
スキーやスノボーにも同じ現象がある、初めてスキーを習った時には、ターンをする時は、ターンする先を見ろ、と教えられた。見た方向に対して、体が自然に反応するのを利用したものですね。逆に予想外にスピードが出てしまい、怖がって自分の向かっている方向だけを見ていると(ターンしたい方向は見る余裕がない)どんどん、そちらのほうへ向かって行ってしまうのだ、だから怖くてもターンしたい方向を見る習慣を付けると教えられた。
という事で、球を投げる時は、キャッチャーミットから目線を切らない。という行為が実は体が自然と反応する原理を利用するというものだったのだ。
「ここ見て!(私の持つグローブを揺らす)」(私)
「ここ、ここ!(またもや私の持つグローブを揺らす)」(私)
「・・・・・(黙って投球動作に、はいる息子)」(息子)
「・・・・・(じっと、その息子を見つめる父)(私)
「パシっ!」(息子の投げた球が私のグローブに収まった音。)
「それそれ、そんな感じだよ、その感じを忘れないで!」(私)
「うん。」(息子)
「もう1球、いこうか!」(私)
「・・・・(黙って、投球動作にはいる息子)」(息子)
「パシっ!」(再度、息子の投げた球が私のグローブに収まった音。)
「いいねぇー、まるで本物のピッチャーみたいだ!」(私)
「投げた感じは、どう? へんな感じする?」(私)
「大丈夫! 僕覚えたよ!」(息子)
という返事を一応信用する父でした。
続く。

息子の野球